なぜそうなるか
車を売ったら自動車税は戻ってくる?——千葉県と大阪府は、名義変更では戻らず、抹消登録なら翌月から3月分が月割で戻ると案内していました
自動車税の納付書は、毎年春に届きます。1年分をまとめて払ったあとで、夏や秋に車を手放すことになる人もいるでしょう。
そのときに気になるのが、まだ乗っていない月の分の税金です。4月に1年分を払っていれば、残りの月の分は戻ってくるのではないか、と考えるのは自然なことだと思います。
ところが、同じ「車を手放す」でも、買い手に名義を移す場合と、登録そのものを消す場合があります。どちらの手続きになるかで、税金の扱いが違うと耳にすることもあります。
買取の店に任せてしまうと、自分の車がどちらの手続きで処理されたのか、手元に残る書類だけでは分かりにくいこともあります。戻ってくるはずのお金なのかどうか、先に知っておきたいところです。
自動車税(種別割)は都道府県の税なので、答えを出しているのも各都道府県です。そこで、千葉県の県税のよくある質問から3つのページと、大阪府の「自動車税還付金の概要」を開き、関係する部分を原文のまま並べました。
手元の車にどちらの扱いが当たるかは、この記事では判断しません。登録の手続きがどちらだったかは、手続きを頼んだ先や運輸支局で確かめる前提で読んでください。
・年度の途中で名義変更(移転登録)をしても、月割の還付はない
・抹消登録(廃車)をすると、翌月から3月分までが月割で還付される
・3月中に抹消登録をした場合は、減額(還付)されないと大阪府は書いている
・還付は「引き渡した日」ではなく「抹消登録した日」で数える
・未納の税があると、還付金はそちらに充てられる
車を売って名義を変えたら、自動車税は戻ってくるの?
4月に1年分払ったあと、夏に売って名義を変えたら、残りは戻ってくる?
千葉県の「納税を済ませていますが、自動車を売却する場合に自動車税は還付されますか。」という質問への回答は、まず登録の手続きで扱いが分かれると書きます。
自動車売却時の登録手続によって還付の有無が異なりますので、以下をご確認ください。
名義変更の場合の答えは、次の一文です。
月割計算による自動車税の還付はされません。
理由の説明は、その年度の納税義務がどこにあるか、という形で続きます。
その年度の分は4月1日の時点の所有者が負い、買い手が払うのは翌年度から、という組み立てです。当該自動車について、年度(4月から翌年3月)の途中で移転登録(名義変更)をした場合は、その年度の末日(3月31日)に当該変更がなされたものとみなされますので、その年度の納税義務はすべて4月1日現在の所有者にあり、新名義人の納税義務は翌年度からとなります。
名義変更の手続きそのもの、とくに亡くなった親の名義の車を売る場合の書類は、相続と買い手への名義変更は同じ窓口で一度に出せるで関東運輸局の案内を並べています。
廃車(抹消登録)にしたら、どうなるの?
売らずに廃車にした場合は、扱いが変わるの?
同じ千葉県の回答は、抹消登録の場合をこう続けます。
抹消登録をした月の翌月から3月分までの自動車税が、月割で還付されます。
千葉県の別の質問「自動車を抹消(廃車)しましたが、自動車税はどうなりますか。」には、月の数え方の例が載っていました。
例:7月1日から7月31日までに抹消登録した場合
⇒4月から7月まで課税となり、8月から翌年3月分(8ヶ月分)が減額となります。
大阪府の「自動車税還付金の概要」も、抹消登録で還付金が出る流れを同じ向きで説明します。
戻る・戻らないを分けているのは、売ったかどうかではなく、登録をどう変えたかです。年度途中で運輸支局において自動車登録を抹消する登録(一時抹消・解体に伴う永久抹消など)をされた場合には、抹消登録をした日の翌月から年度末までの税額が減額されます。
3月に抹消登録した場合は?
大阪府のページは、減額されない場合を3つ挙げます。そのうちの1つが、3月中の抹消登録です。
千葉県の抹消登録の回答も、月割で減額する対象を「年度の途中(4月から翌年2月)」としています。ただし、自動車の所有を移転する登録(譲渡)や他府県へ転出する登録をしたとき、3月中に自動車登録を抹消する登録をしたときには、「自動車税」はその年度の納税義務者に対して課されることになりますので減額(還付)されません。
還付の月は、いつから数えるの?
店に車を渡した日から数えてもらえるの?
抹消登録の日とは業者等に自動車を引き渡した日ではなく、運輸支局又は自動車検査登録事務所で抹消登録した日となります。
同じ回答には、手続きを業者に頼んだ場合の注意も続いていました。
車を渡した日と抹消登録の日は、同じとは限らないという前提で、千葉県は業者への確認を勧めています。廃車手続を業者等に依頼している場合は、自動車を引き渡してもすぐに抹消登録されるとは限りませんので、抹消登録の日を依頼した業者等に確認してください。
還付額は、どう計算されるの?
実際にいくら戻るのか、計算の仕方はある?
還付額=既に納付いただいた年税額-〔年税額×4月から抹消登録の日が属する月までの月数÷12月*〕
カッコの中は抹消登録による減額後の税額で、100円未満は切り捨てると注にあります。例として挙がっていたのは、年税額39,500円の乗用車を8月20日に抹消登録した場合で、還付額は23,100円でした。
当方でこの例をたどると、39,500円×5か月÷12は16,458円で、100円未満を切り捨てて16,400円になります。39,500円から16,400円を引くと23,100円で、ページの数字と合います。未納の税があるときは?
千葉県も大阪府も、還付金がほかの未納の税に充てられる場合がある、という点では同じでした。
※納税義務者に自動車税の未納額がある場合、還付金は未納額に充当されます。
大阪府は、還付を受け取る権利を自動車販売店などに譲っている場合は、譲り受けた相手に還付すると注に書いていました。
この記事で確認したこと
・名義変更(移転登録)では、月割の還付はされない
・抹消登録なら、翌月から3月分までが月割で還付される
・3月中の抹消登録は、減額(還付)されない(大阪府)
・数える基準は、引き渡した日ではなく抹消登録した日
・未納の税があると、還付金はそちらに充てられる
戻るかどうかを決めるのは、売ったかどうかではなく、登録の手続きでした。手放す前に、どちらの手続きになるのかを頼む先に確かめておくと、あとで数字が合わずに戸惑わずに済みます。
よくある質問
軽自動車も同じ扱いですか
今回読んだ千葉県と大阪府のページは、都道府県の税である自動車税(種別割)の説明です。軽自動車の税の扱いは、これらのページでは扱われていませんでした。
還付の知らせは、いつごろ届きますか
千葉県の回答では、通知が届くのは抹消登録の日からおよそ2ヶ月後です。大阪府は、抹消登録の日から1か月半程度で、口座を申し出る書類を送ると書いていました。
名義変更の手続きが済んだかどうかは、どう確かめればよいですか
千葉県の回答は、手続きを代理人に頼んだ場合は、完了しているかどうかを確認するよう求める内容です。確かめ方の具体的な手順は、今回読んだページには載っていませんでした。
この整理が変わる条件
- 地方税法の自動車税(種別割)の決まりが改められた場合
- 千葉県や大阪府が、よくある質問や還付金のページを改めた場合
- 手放す車が軽自動車である場合や、住所のある都道府県が千葉県・大阪府以外の場合
出典
- 千葉県「納税を済ませていますが、自動車を売却する場合に自動車税は還付されますか。」 https://www.pref.chiba.lg.jp/zeimu/faq/171.html
- 千葉県「自動車を抹消(廃車)しましたが、自動車税はどうなりますか。(月割課税)」 https://www.pref.chiba.lg.jp/zeimu/faq/233.html
- 千葉県「どのような場合に自動車税は還付になるのでしょうか。」 https://www.pref.chiba.lg.jp/zeimu/faq/214.html
- 大阪府「自動車税還付金の概要」 https://www.pref.osaka.lg.jp/o050160/osakajidoshazei/kanpukin/index.html
扱いや数字は、住所のある都道府県の最新のページで確かめてください。
当方が上の出典を引いて確かめた日: